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2019年12月27日
美保純 新作撮影の思い出
美保純『男はつらいよ』
新作撮影で感じた渥美清さんの空気
《12/27(金) 7:00配信 NEWS ポストセブン》

50作目の新作に32年ぶりに出演(撮影/田中智久)
2019年12月27日、22年ぶりに「男はつらいよ」シリーズの新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』(監督/山田洋次)が公開される。50作目の新作に、「タコ社長」の娘・朱美(あけみ)役として32年ぶりに出演する女優の美保純が、新作撮影の思い出を語った。
* * *
渥美清さん(享年68)の命日8月4日は私の誕生日なんです。しかも、私が最初に出演した「寅さん」の公開日も8月4日。だから、1996年に渥美さんが亡くなられてから、渥美さんのこと、寅さんのことは毎年思い出してきました。
タコ社長の娘・朱美として『夜霧にむせぶ寅次郎』から7作品に出演した「寅さん」は、自分にとって女優人生のターニングポイントになったシリーズですしね。もし今回の50作目に呼んでもらえなかったら、すごく落ち込んだと思いますよ。わだかまりを抱えたまま女優人生を終える羽目になったんじゃないかな(笑い)。
新作の撮影のために約30年ぶりにとらや(第40作から「くるまや」に変更)のセットに入ったとき、嬉しかったですねえ。最初の出演時にセットに入ったときは親戚に呼ばれたような感じがしましたが、今回も久しぶりに実家に帰ったような感覚でした。
団子屋はカフェに変わりましたけど、奥の茶の間や裏の狭い庭は昔のまんま。私の登場は裏庭からで、「そうそう、ここが私の定位置」って。あと階段!寅さんがあの階段を上る途中、フッと止まって手すりに手を添えて、何か言ったり、アクションしたりするじゃないですか。だから、あの階段の手すりが私にとっての神スポットで、あれを見ると、渥美さんや寅さんの思い出が蘇るんです。
50作目のセットの中に渥美さんはいませんでした。でも、いるんです。「いないから、いる」って、こういう感じなんだなって。出演者が寅さんや渥美さんのことを話している雰囲気も凄く良かったです。ちなみに新作では、寅さんの血を吉岡秀隆君演じる満男が引き継いでいます。私が演じる朱美も中年になり、父親のタコ社長に似てきて。あの血圧高そうな感じが(笑い)。
渥美さんが亡くなり、「寅さん」が途切れてから、茶の間、畳、卓袱台、縁側……日本中でそういうものが壊され、どんどんプラスチックの世界になっちゃった。それとともにザラザラした手触りの人、一癖も二癖もある人がどんどんいなくなり、ヤスリで削られたような何の特徴もないツルツルの人が増えちゃった。でも、「寅さん」の世界にはあるんです、昭和の世界が。ぜひ、50作目の「寅さん」を観て、失われたものの良さを見直していただけると嬉しいです。
●みほ・じゅん/1960年生まれ。
第33~第39作にタコ社長の娘・朱美役で出演。第36作『男はつらいよ 柴又より愛をこめて』と『キネマの天地』(山田洋次監督)により、1987年の日本アカデミー賞助演女優賞受賞。『5時に夢中!』(TOKYO MX)、『ごごナマ』(NHK総合)にレギュラー出演中。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号
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Posted by ドラドラしゃっちー at 17:41│Comments(0)
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