2020年07月31日
『どんな状況でも楽しむプロ』
TEAM SHACHI
「どんな状況でも楽しむプロだから」
激流の時代に魅せたタフネス:レポート
《7/30(木) 18:41配信 MusicVoice》

TEAM SHACHI(撮影=笹森健一)
TEAM SHACHIが28日、無観客生配信ライブ『TEAM SHACHI TOUR 2020~異空間~:Spectacle Streaming Show “ZERO”』を行った。本公演は、今年2月よりスタートした「TEAM SHACHI TOUR~異空間~」の集大成であり、一方で無観客、ライブ配信でしか実現できない演出も盛り込んだ今回限りのスペクタクルなパフォーマンス。昨年夏フェス限定企画として披露されたバンド編成とはまた一味違うサウンド、新たなバンド編成スタイルで進化を求め続ける。55,000人が視聴したTEAM SHACHIの無償無観客配信ライブの模様を以下にレポートする。
【取材=平吉賢治】
■スペシャルバンド編成での生配信
今回のライブはスペシャルバンド編成、ブラス隊の“ブラス民”含む 13人編成でライブに臨んだ。“バンド民”のメンバーには、ドラムにTatsuya (Crossfaith)、ギターにmasasucks (FULLSCRATCH/the HIATUS/RADIOTS/J BAND)、ベースにMIYAを迎えている。
視聴者全員が最前列で観戦できるという配信ライブならではの環境下、秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈のステージ袖での円陣のシーンから配信開始。シャチの生態とTEAM SHACHIのスタンスを表すようなクールなOP映像の後、1曲目から新曲「SURVIVOR SURVIVOR」でライブ幕開けとなった。
続く「DREAMER」では、バンドとホーン隊というゴージャスな編成で金色に煌めく照明と同期するような輝かしいパフォーマンスを魅せる。ドラムソロで「Hello, TEAM SHACHI」へ繋がれると、4人はアクティブにタオルを振るアクションを見せる。ここでは画面分割のカットも展開され、配信ライブの強みを表した。
ライブ序盤から熱気が急上昇するなか、「ROSE FIGHTERS」へと続く。生演奏、生パフォーマンスならではの生々しさが画面越しに伝わってくる。そして「We are SHACHI!」という掛け声で楽曲を締め、次曲のストレートなロックナンバー「わたしフィーバー」ではメンバーのクラップがチャットからの多数の拍手の絵文字を誘発。序盤セクションの時点でTwitterでは「#シャチZERO」がトレンド上位に上がるほどの反響を見せた。そして、4人の伸びやかな歌唱が光る「よろしく人類」で1stブロックが終了。
ステージの空気感は転換され、ピアノの旋律が鳴り響く。「カラカラ」のイントロは大黒柚姫によるプレイだった。そしてそのまま弾き語りへ突入し、この楽曲は全編にわたって大黒がピアノの伴奏を披露した。徐々にメンバーのボーカルが重なり、中盤以降はサックスも加わってのアンサンブル。絶妙なタイミングでしっとりとしたムードを醸し、サックスソロで「シャンプーハット」へ繋がれると、カラフルな水玉の映像やシャボン玉演出などが交じるというポップな世界観に一転。そして、「Rocket Queen feat.MCU」ではMCUが登場しラップを炸裂させるなど、ありとあらゆるカラーの演出で配信ライブのポテンシャルの深さを提示した。
■生配信に特化したフレキシブルな演出で魅了
MCでは日高央が呼び込まれ、続く2曲を共に披露した。「Rock Away feat.ヒダカトオル」では再びバンド編成に戻り、4人はマイクスタンドパフォーマンス混じりにエネルギッシュな姿を見せる。4人のコーラスから始まった「なくしもの feat.ヒダカトオル」ではヒダカトオルが演奏するギター、バンドアンサンブルの中、スローに、エモーショナルに、胸に沁みるテイクで魅了した。
そして「BURNING FESTIVAL」では無観客ライブという環境でしかできないであろう、客席スペースをダイナミックに使ってのパフォーマンス。会場をフレキシブルに利用しつつ登りつめるハイテンションはさらなる熱気を生み出し、「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」では、ヘッドバンキングでその高いエネルギーを全身で表した。
画面が暗転すると和風のリズムが刻まれ、画面に表れる文字とメンバーのダンスが同期する映像アクションというテクニカルな演出が展開された。そして、その映像アクションは「We Are...」に引き継がれ、スクリーンと画面に映し出された歌詞をバックにパフォーマンス。続く「Cherie!」は和アレンジバージョンで披露され、チャット上には桜の花びらの絵文字が舞い散る“和”のレスポンス。配信ライブに特化した見せ方を次々と展開する本公演、「グラブジャムン」ではあらゆる角度からライブ感あふれるカメラワークで4人の表情を映し出し、配信ライブ特有の魅力を見せつけた。
バンド民の鬼気迫るセッションでライブ感はさらにブーストされ、「眠れないナイ NIGHT!」では鋭いロックサウンドと4人のパフォーマンスでライブの熱気は最高潮に達した。そのまま「AWAKE」「START」とたたみ込み、「抱きしめてアンセム」ではメンバー4人、激しく体を揺らしての全力ダンスを見せた。
■どんな状況でも“スーパータフ”なTEAM SHACHI
新曲「SURVIVOR SURVIVOR」から始まったセットリストの本公演、本編ラストも新曲だ。ヘヴィで厚いアンサンブルの「MAMA」では、4人は妖艶なボーカルとダンスを惜しみなく魅せ、完全燃焼を表すようなスモークに包まれながら姿を消し、本編の幕が下ろされた。
そしてアンコールに応えてステージに再び姿を現した4人は、初出し情報も含め複数の告知をした。8月29日にデジタルシングル「SURVIVOR SURVIVOR/MAMA」のリリース、10月21日に「TEAM SHACHI TOUR 2020 ~異空間~:Spectacle Streaming Show “ZERO”」が映像化されたLIVE Blu-rayリリース、10月23日にZepp Nagoyaで2周年記念公演開催、12月30日の豊洲PITワンマンライブ開催と、それぞれアナウンスされた。
そして最後に、今のメンバーの想いをそれぞれが述べた。坂本は初の無観客ライブで高まった気持ち、タフ民(ファンの呼称)に対する感謝の気持ちを伝えつつ、「TEAM SHACHIは、どんな時でもどんな状況でも楽しむプロだから」と、ポジティブな心境を語った。
咲良は、本来は4月に渋谷で公演する予定だったが、この日の生配信ライブという形で披露することができたことに対し「一安心しています」と語り、スタッフやメンバーやファンに対しての感謝と、確かな一体感があったことを言葉にした。そして、「今できる可能な限りの中でどれだけ楽しむかというのが一番大事だと思っている――全部がプラスに繋がっていけるようなライブになったと思っています」と、好感触を示した。
大黒は、こういった形でのライブとなることは想像していなかったという心境を表しつつ、「カメラ越しだけどみんなの声が聞こえてくるような気がしてとっても楽しい1日を過ごせました。みなさんのおかげです」と、視聴者に感謝の気持ちを述べた。そして、みんなで叶えたい夢として“満員の武道館公演”を掲げた。
秋本は、現在の新型コロナウイルス感染症拡大の状況下で、もとに戻るまで待つというだけではなく、新しい可能性にどんどん触れて広げていくことに対する情熱を言葉にした。「今できることを精一杯、その時その時の一番をお届けするというのは、これまでの私達の活動と何も変わっていない」と、グループとして、チームとしての気概を表した。そして、「私たちは“スーパータフ”なんです――スーパーでタフで、ストロングでエナジーで、ポジティブでエキサイティングなソウルを、フロム名古屋の精神でこれからもお届けして行きます!」と、視聴者に向けて心強いメッセージを寄せた。
本公演最終曲目、壮大な曲調の「Today」でTEAM SHACHIは輝かしいフィナーレを飾った。スペシャルバンド編成にありとあらゆる演出と、生配信ライブの可能性を次々と具現化させた豪華演出の本公演は、メンバーが語るように「どんな状況でも楽しむ」というマインドを体現した。大きな時代の変化の中で見せた本公演は、TEAM SHACHIにとって重要なターニングポイントとなるのかもしれない。
上記『無観客配信ライブ』
YouTubeにて、
8月4日まで公開されています。
→→→『“ZERO” 期間限定公開』
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