2021年09月15日
NPB審判部が謝罪
中日-ヤクルト判定混乱
なぜ起きた?審判側が検証報告
複雑な状況で塁審も「パニック」に
《9/14(火) 19:22配信 デイリースポーツ》

挟殺プレーをめぐり審判団に説明を求める
ヤクルト・高津監督(中央)=13日
ヤクルト・高津監督(中央)=13日
セ・リーグとNPBの審判部は14日、前日の中日戦でヤクルト・高津監督が判定に猛抗議した件について、神宮球場を訪れて謝罪した。
審判部は当該審判などから聞き取りを行い、検証した結果をヤクルト側に報告。審判部の友寄審判長とセ・リーグ杵渕統括が説明した。判定混乱の要因は「二塁審判の嶋田塁審が一塁のセーフを見落とした」ことが起因となったとし、嶋田塁審には口頭で厳重注意した。
なぜ“判定見落とし”が起きたのか。状況を整理すると、判定する側にとっても難易度の高い条件がそろっていたことが分かる。
場面はヤクルトが1点を追う九回。1死一、二塁で川端が二ゴロを打った。二塁手の堂上が一塁走者の西浦を追い込みながら一塁へ投げたが、打者走者はセーフと判定された。
この時、二塁の嶋田塁審は同時に複数の状況を確認する必要があった。「(二塁手が一塁走者を)追いかけてタッグがあるかどうか」「そこで(走者が)ラインアウトになるかどうか」「戻ってくる一塁走者と、堂上君がぶつかるかもしれない」(友寄審判長)。二塁手と一塁走者の動きに注意が集中したことで、打者走者の判定を見逃してしまった。
さらに、中日が一塁走者に対して挟殺プレーを始めたことで嶋田塁審の「思い込み」が固まったとみられ、京田が二塁を踏んでも反応できず。一塁走者をアウトにするにはタッチが必要と判断したため、京田が二塁を踏んだ際にコールをしなかった。
直後に本塁へ突入した三塁走者・古賀がタッチアウトとなったところでプレーは切れたが、リクエストで二塁フォースアウトを確認。試合終了となった。
友寄審判長は「言い訳になりますが、いろんな状況が重なった。彼も正直な所、パニックになっているのでこうなったかもしれない」と語る一方で、厳しく厳重注意。杵渕統括も「審判としてもそういう状況であっても、本来正しく見切らないといけない」とした。
高津監督の5分以上の抗議は責任審判が「リプレー検証の意義申し立てか?」と確認して違ったため、受け入れたという。また、ジャッジがなくてもリクエストできるのかについては友寄審判長は「規定はないかもしれないが、想定外のプレーは審判の判断でしていい」と説明。
アウトのコールをしていれば三塁走者が走らなかった可能性もあることから、「2死一、三塁で試合が再開可能だったのか」問われると、「昨日のケースに関してはない。それもお伝えしてご理解して頂いている」とした。
カテゴリー=ドラゴンズ
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