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2024年01月17日
立浪竜 2年間の検証&今季の光明《6》
→立浪竜 2年間の検証&今季の光明《1》

2年連続最下位から勝負の3年目を迎える中日・立浪和義監督。どうすれば逆風を追い風に変えられるのか――PL学園時代のエピソードやプロ野球関係者の証言、監督2年間の検証を通して、2024年シーズンの光明を見出してゆく。
〈#6「森繁和の提言」/全8回の6回目〉
中田翔が加入…布陣どうなる?
中日の監督経験者である森繁和に、立浪和義政権2シーズンの是非を問うたのは11月下旬のことだった。その時期にはまだキューバ人選手ふたりを育成契約で獲得しただけで、来季の外国人選手の陣容は決まっていなかった。森は言った。
「決められるわけないじゃん。もし中田翔が中日に来るなら、一塁をビシエドと争うことになる。そこが決まらないと獲得したい外国人選手のポジションが決まらないんだから(その後、中田の入団が決定)。ファーストの守備の上手い中田が入団するなら、外野手を獲るのかね? 外野といっても、岡林がいて、細川がいて、大島(洋平)もなかなか外せないだろう。ショートも昨季終盤はオルランド・カリステが守っていた。セカンドは龍空をはじめとする若手選手のためにも空けておきたい。となると、新しい助っ人が守る場所がない。だからといって、『外国人はいらない』とはならないよな」
となると三塁ぐらいしかポジションがない。
「本職の石川昂弥がフルイニング出場できれば打線の核になるだろうが、どうしてもケガの不安がつきまとう。もし石川が外れるようなことがあれば、代わりに高橋周平がサードを守ればいい。やはり、外野手の外国人が適任だろう」
期待する「和製大砲」石川昂弥の覚醒
中日は昨年の12月22日に、アレックス・ディッカーソンの獲得を発表した。ポジションは外野で、メジャー通算40本塁打を記録している。2019年にはカブス時代のダルビッシュ有からホームランを放ったという逸話の持ち主でもある。
2023年のシーズン中に、立浪がPL学園の先輩である清原和博氏を打撃コーチとして招く構想があると報道された。実際、立浪も熱望していた模様だが、契約最終年となる2024年シーズンに清原氏をコーチングスタッフに加えることはかなわなかった。立浪にすれば、清原のような和製大砲を育成したいという思いが強いのだろう。その候補としては石川の名が真っ先に浮かぶ。
「もちろん石川には期待したいが、ケガの不安はつきまとうし、せいぜい20本打てば御の字だろう(2023年シーズンは13本)。もちろん、右の大砲と呼べるぐらいにまで育ってくれるといいが……」
ブレイクした細川成也は「来年が勝負」
森が不安要素として名前を挙げるのが、2022年シーズンオフに現役ドラフトで加入した右打者の細川成也だ。24本塁打を放った2023年と同様の活躍ができるかどうか。
「現役ドラフトのリストに名前が載ったということは、前球団を戦力外になったようなもの。だから2023年シーズン当初は必死で、ファームでも一軍でも練習で自身を追い込んでいた。その結果、前半戦は3割をキープしていたが、夏場に成績を落とし、打ったかと思えば再び調子を落とすということを繰り返した。これは恐らく、交流戦が明けて他の5球団が細川に対する攻め方を掴んだことが大きい。今度はそれを細川が打ち崩す番となるでしょう」
中田を獲得したとはいえ、打線に一発を多くは期待できない以上、長打に頼らない戦い方をするほかない。
落合時代“じつは低打率で”優勝
参考にすべきは、森が投手コーチを務めた落合監督時代に、リーグを連覇した2011年シーズンだろう。森が驚きのデータを明かした。
「シーズンを通して打てなかった2023年シーズンの打率(.234)よりも、2011年シーズンの打率(.228)の方が下回っている。当時は8月の段階で東京ヤクルトに10ゲームの差をつけられて、落合監督や私らコーチはクビを宣告された。そこからの奮起で、リーグ優勝し、クライマックスシリーズも勝ち進んだんだが(笑)、この時も打率はリーグ最下位。一発が期待できるブランコがいたのはもちろん大きいが、基本的にはスコアリングポジションに走者がいる数少ないチャンスで、確実に1点を獲りに行く戦い方をしていた。落合監督が当時、チャンスの場面になると『ゲッツーになってもいいからまず1点を取れ』と言っていたことを思い出す。だからセーフティスクイズもよくやったし、そういう小技ができる選手がいたからできた戦い方だった。当時と同じぐらいの戦力は、今の中日にもあると思います」
カット打法・龍空が軸もあり?
そこでキーマンとなるのが龍空のような選手だ。独特なカット打法で、昨季は13球も粘って四球を選んだ打席もあった。
「だけどその龍空に対して、来季のポジションは『白紙』と話している報道を見た。2022年、2023年と2年連続で取った新人と競わせるつもりだろうが、龍空の打率がせめて2割5分ぐらいにまで上がって来たら、ショートであれ、セカンドであれ、定位置を確保できるだろう」
エラーの多さもまた、阪神の「85」、広島の「82」に次ぐ「79」で、指揮官を苦しめた。
「人工芝のバンテリンドームで戦っていて、どうしてこんなにエラーが多いのか。守備練習にだけ問題があるとは思えない」
ピッチャー陣は「計算が立つ」
問題を抱える野手陣の一方で、投手陣は計算が立つ。
「涌井秀章や田島慎二といった右のベテランももう数年は第一線で活躍できる。今のうちに、2023年にロドリゲスに代わるセットアッパーとして50試合に登板した清水達也(24歳)、育成から支配下になって36試合に登板した松山晋也(23歳)、50試合投げた勝野昌慶(26歳)らに自分の立場を固めてもらいたい。彼らがこのまま成長してくれたら、大野(雄大)が戻ってくる来季の投手陣はセ・リーグでも上位の陣容だろう。絶対数がいるから、野手よりは計算ができる」
「オレが食事について文句を言ったのは一度だけ」
2023年シーズン中に起きた米騒動についても森はこう言及した。
「登板直前の先発投手や、スタメンの野手で試合前に米をたくさん食うヤツなんか球界にひとりもいないよ。あまりに目に余ることがあったから、炊飯器を撤去したんだろう。タツが監督をやる以前にも、『ラーメン禁止』のお触れを出した監督もいた。オレが食事について文句を言ったのは一度だけ。食堂でカレーを食べようと思ったら、ニオイが嫌いなピーマンが入っていた。だからコックさんに言ったんだよ。『カレーにピーマンだけは入れないでくれ』って(笑)」
オフに入り、大野は契約更改時に「やらないといけないのは選手だが、球団や監督、コーチ陣を含めたみんながガラッと変わらないと強くならない」と発言。すわ、監督批判かと激震が走ったが、大野は慌てて「言葉足らずだった」と火消しに走り、立浪に批判が集中することに対して「申し訳ない」と謝罪した。
そうしたベテラン選手による声も、“3年連続最下位”への危機感から上がったものだろう。
「選手に戦力外を通告するのも、ドラフトを含めて新戦力を他から獲ってくるのも、ある意味では監督の専権事項である。それができるのは、12球団で12人しかいないんだ。しかし、結果が伴わなければ支持は得られない。来年は契約最終年とされている。もしかしたら5年契約の可能性もあるが、3年続けて最下位ならば誰もが我慢ならないでしょう」
「優勝争いで選手は成長する」
森に最後、来季の順位予想をしてもらった。
「それはもうAクラスになって欲しい。最低でも3位。ただ3位に入るだけでなく、優勝争いをした上でクライマックスシリーズに進出してもらいたい。最下位よりも、優勝争いをする中で投げる方が投手は成長するもんなんだ。ただ、やはり得点力が心配です。1点を確実に積み上げていけば必ず勝機が生まれるし、阪神と横浜に大負けしているだけで、そこをイーブンの戦績に持って行くだけで上位は見えてくる。悲観することはないよ」
森が監督時代に重宝した京田陽太は2022年オフに横浜DeNAにトレードされ、ドラフト1位で獲得した鈴木博志は2023年オフに現役ドラフトでオリックスへ移籍した。彼らに対し、森の中に親心に近い感情があって当然だ。
それでも恨み節どころか、安易に立浪の施策を否定せず、温かいエールを贈るのは、監督経験者として誰より立浪の苦悩が理解できるからだろう。
〈つづく〉
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落合博満の中日
“じつは今より打てないチーム”で優勝
立浪和義に森繁和が語る
「あの“米騒動”への本音」
「キーマンは中田翔か龍空か」
「キーマンは中田翔か龍空か」
《1/12(金) 11:02配信 Number Web》

2016年から2年間、中日を率いた森繁和
photograph by Takuya Sugiyama
photograph by Takuya Sugiyama
2年連続最下位から勝負の3年目を迎える中日・立浪和義監督。どうすれば逆風を追い風に変えられるのか――PL学園時代のエピソードやプロ野球関係者の証言、監督2年間の検証を通して、2024年シーズンの光明を見出してゆく。
〈#6「森繁和の提言」/全8回の6回目〉
中田翔が加入…布陣どうなる?
中日の監督経験者である森繁和に、立浪和義政権2シーズンの是非を問うたのは11月下旬のことだった。その時期にはまだキューバ人選手ふたりを育成契約で獲得しただけで、来季の外国人選手の陣容は決まっていなかった。森は言った。
「決められるわけないじゃん。もし中田翔が中日に来るなら、一塁をビシエドと争うことになる。そこが決まらないと獲得したい外国人選手のポジションが決まらないんだから(その後、中田の入団が決定)。ファーストの守備の上手い中田が入団するなら、外野手を獲るのかね? 外野といっても、岡林がいて、細川がいて、大島(洋平)もなかなか外せないだろう。ショートも昨季終盤はオルランド・カリステが守っていた。セカンドは龍空をはじめとする若手選手のためにも空けておきたい。となると、新しい助っ人が守る場所がない。だからといって、『外国人はいらない』とはならないよな」
となると三塁ぐらいしかポジションがない。
「本職の石川昂弥がフルイニング出場できれば打線の核になるだろうが、どうしてもケガの不安がつきまとう。もし石川が外れるようなことがあれば、代わりに高橋周平がサードを守ればいい。やはり、外野手の外国人が適任だろう」
期待する「和製大砲」石川昂弥の覚醒
中日は昨年の12月22日に、アレックス・ディッカーソンの獲得を発表した。ポジションは外野で、メジャー通算40本塁打を記録している。2019年にはカブス時代のダルビッシュ有からホームランを放ったという逸話の持ち主でもある。
2023年のシーズン中に、立浪がPL学園の先輩である清原和博氏を打撃コーチとして招く構想があると報道された。実際、立浪も熱望していた模様だが、契約最終年となる2024年シーズンに清原氏をコーチングスタッフに加えることはかなわなかった。立浪にすれば、清原のような和製大砲を育成したいという思いが強いのだろう。その候補としては石川の名が真っ先に浮かぶ。
「もちろん石川には期待したいが、ケガの不安はつきまとうし、せいぜい20本打てば御の字だろう(2023年シーズンは13本)。もちろん、右の大砲と呼べるぐらいにまで育ってくれるといいが……」
ブレイクした細川成也は「来年が勝負」
森が不安要素として名前を挙げるのが、2022年シーズンオフに現役ドラフトで加入した右打者の細川成也だ。24本塁打を放った2023年と同様の活躍ができるかどうか。
「現役ドラフトのリストに名前が載ったということは、前球団を戦力外になったようなもの。だから2023年シーズン当初は必死で、ファームでも一軍でも練習で自身を追い込んでいた。その結果、前半戦は3割をキープしていたが、夏場に成績を落とし、打ったかと思えば再び調子を落とすということを繰り返した。これは恐らく、交流戦が明けて他の5球団が細川に対する攻め方を掴んだことが大きい。今度はそれを細川が打ち崩す番となるでしょう」
中田を獲得したとはいえ、打線に一発を多くは期待できない以上、長打に頼らない戦い方をするほかない。
落合時代“じつは低打率で”優勝
参考にすべきは、森が投手コーチを務めた落合監督時代に、リーグを連覇した2011年シーズンだろう。森が驚きのデータを明かした。
「シーズンを通して打てなかった2023年シーズンの打率(.234)よりも、2011年シーズンの打率(.228)の方が下回っている。当時は8月の段階で東京ヤクルトに10ゲームの差をつけられて、落合監督や私らコーチはクビを宣告された。そこからの奮起で、リーグ優勝し、クライマックスシリーズも勝ち進んだんだが(笑)、この時も打率はリーグ最下位。一発が期待できるブランコがいたのはもちろん大きいが、基本的にはスコアリングポジションに走者がいる数少ないチャンスで、確実に1点を獲りに行く戦い方をしていた。落合監督が当時、チャンスの場面になると『ゲッツーになってもいいからまず1点を取れ』と言っていたことを思い出す。だからセーフティスクイズもよくやったし、そういう小技ができる選手がいたからできた戦い方だった。当時と同じぐらいの戦力は、今の中日にもあると思います」
カット打法・龍空が軸もあり?
そこでキーマンとなるのが龍空のような選手だ。独特なカット打法で、昨季は13球も粘って四球を選んだ打席もあった。
「だけどその龍空に対して、来季のポジションは『白紙』と話している報道を見た。2022年、2023年と2年連続で取った新人と競わせるつもりだろうが、龍空の打率がせめて2割5分ぐらいにまで上がって来たら、ショートであれ、セカンドであれ、定位置を確保できるだろう」
エラーの多さもまた、阪神の「85」、広島の「82」に次ぐ「79」で、指揮官を苦しめた。
「人工芝のバンテリンドームで戦っていて、どうしてこんなにエラーが多いのか。守備練習にだけ問題があるとは思えない」
ピッチャー陣は「計算が立つ」
問題を抱える野手陣の一方で、投手陣は計算が立つ。
「涌井秀章や田島慎二といった右のベテランももう数年は第一線で活躍できる。今のうちに、2023年にロドリゲスに代わるセットアッパーとして50試合に登板した清水達也(24歳)、育成から支配下になって36試合に登板した松山晋也(23歳)、50試合投げた勝野昌慶(26歳)らに自分の立場を固めてもらいたい。彼らがこのまま成長してくれたら、大野(雄大)が戻ってくる来季の投手陣はセ・リーグでも上位の陣容だろう。絶対数がいるから、野手よりは計算ができる」
「オレが食事について文句を言ったのは一度だけ」
2023年シーズン中に起きた米騒動についても森はこう言及した。
「登板直前の先発投手や、スタメンの野手で試合前に米をたくさん食うヤツなんか球界にひとりもいないよ。あまりに目に余ることがあったから、炊飯器を撤去したんだろう。タツが監督をやる以前にも、『ラーメン禁止』のお触れを出した監督もいた。オレが食事について文句を言ったのは一度だけ。食堂でカレーを食べようと思ったら、ニオイが嫌いなピーマンが入っていた。だからコックさんに言ったんだよ。『カレーにピーマンだけは入れないでくれ』って(笑)」
オフに入り、大野は契約更改時に「やらないといけないのは選手だが、球団や監督、コーチ陣を含めたみんながガラッと変わらないと強くならない」と発言。すわ、監督批判かと激震が走ったが、大野は慌てて「言葉足らずだった」と火消しに走り、立浪に批判が集中することに対して「申し訳ない」と謝罪した。
そうしたベテラン選手による声も、“3年連続最下位”への危機感から上がったものだろう。
「選手に戦力外を通告するのも、ドラフトを含めて新戦力を他から獲ってくるのも、ある意味では監督の専権事項である。それができるのは、12球団で12人しかいないんだ。しかし、結果が伴わなければ支持は得られない。来年は契約最終年とされている。もしかしたら5年契約の可能性もあるが、3年続けて最下位ならば誰もが我慢ならないでしょう」
「優勝争いで選手は成長する」
森に最後、来季の順位予想をしてもらった。
「それはもうAクラスになって欲しい。最低でも3位。ただ3位に入るだけでなく、優勝争いをした上でクライマックスシリーズに進出してもらいたい。最下位よりも、優勝争いをする中で投げる方が投手は成長するもんなんだ。ただ、やはり得点力が心配です。1点を確実に積み上げていけば必ず勝機が生まれるし、阪神と横浜に大負けしているだけで、そこをイーブンの戦績に持って行くだけで上位は見えてくる。悲観することはないよ」
森が監督時代に重宝した京田陽太は2022年オフに横浜DeNAにトレードされ、ドラフト1位で獲得した鈴木博志は2023年オフに現役ドラフトでオリックスへ移籍した。彼らに対し、森の中に親心に近い感情があって当然だ。
それでも恨み節どころか、安易に立浪の施策を否定せず、温かいエールを贈るのは、監督経験者として誰より立浪の苦悩が理解できるからだろう。
〈つづく〉
(「プロ野球PRESS」柳川悠二 = 文)
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Posted by ドラドラしゃっちー at 07:07│Comments(0)
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